ネットショップを開業するには、多くの準備作業が必要です。自社オンラインストアを一通り構築した後にも、複数の販売チャネルを立ち上げたり、マーケティング戦略を考えたりするなど、開業までにやるべきことはたくさんあります。
この記事では、Shopifyストアを一通り構築してから実際に始めるまでに何が必要かを、15のステップに分けてわかりやすく解説しています。
Shopifyストア立ち上げまでの15ステップ
1. 販売チャネルやSNSアカウントを準備する
Shopify(ショッピファイ)のアカウント登録が完了したら、複数の販売チャネルを準備していきます。販売経路が複数ある状態にするマルチチャネル化を進めることで、商品が消費者の目に留まる機会が増え、売上が伸びやすくなります。
楽天市場のような他のショッピングモールで出店登録をしたり、インスタグラムなどのSNSアカウントを準備したりしましょう。販売チャネルのなかには、Shopifyストアと連携させることで商品情報を連動させられるものもあります。
Shopifyで作ったストアは、たとえば以下と連携させることが可能です。
- 楽天市場
- Googleショッピング
- TikTok
2. 独自ドメインを取得する
Shopifyでストアを開設する際は、独自ドメインを取得して設定することをおすすめします。ドメインとはインターネット上の住所のようなもので、ウェブサイトアドレスならhttp://www.より後の部分、メールアドレスなら@より後の部分を指します。独自ドメインとは、ドメインに自分の好きな文字列を使ったもののことです。
自社のブランド名をドメインに組み込めば、ユーザーはブランド名を目にする機会が増えるため自社ブランド名を覚えやすくなります。SEO対策においても、独自ドメインは効果的です。検索エンジンは、キーワードを含むわかりやすいURLを評価する傾向にあるので、流入数の増加が期待できます。
Shopifyで無料提供されているドメイン名ジェネレーターを利用すれば、コンセプトに合った効果的なドメイン名を見つけることが可能です。一般的な単語を使ったドメイン名については、すでに使用されていて使えないことが多いですが、その場合は、言葉を足してみましょう。こうすることで使用できる確率が高まります。使用可能なドメイン名であれば、Shopifyから直接購入できます。
また、URLの最後に付ける「.com」や「.net」のようなトップレベルドメイン選びも重要なポイントです。トップレベルドメインを選ぶ際は、ユーザーが何のサイトかわかるようなドメイン名を選びましょう。ECサイトでは、「.store」や「.shop」といった拡張子がよく使われています。
3. テスト注文を行う
Shopifyを使ったECサイトをオープンする前に、ユーザーが問題なく決済を完了できるテスト注文を行います。
テスト注文には、Shopifyペイメントのテストモードを使用する方法と、BogusゲートウェイというShopifyのテスト注文用決済サービスを使用する方法があります。Shopifyペイメントをショップで使用する場合はそのテストモードを、それ以外の場合はBogusゲートウェイを使用するのがおすすめです。
4. 固定ページを用意する
メニューなどに固定して使う「固定ページ」を用意しておくことで、ECサイトの信頼性が向上します。たとえば、問い合わせページやAboutページがこれに該当します。以下の固定ページを作成しておきましょう。
- 問い合わせページ:電話番号やメールアドレス、住所などを記載するページ
- Aboutページ:ブランドストーリーやビジョンなどを紹介するページ
- よくある質問ページ:ユーザーがいだきやすい質問や疑問の回答を掲載するページ
- 配送ポリシー・返品ポリシーページ:配送方法や配送料、返品条件などを明記するページ
- 利用規約・プライバシーポリシーページ:法律に基づいた規約を掲載するページ
5. メール通知の送信設定の見直しをする
受注時や発送時などにお客様へ送信されるメール通知については、デフォルトで設定されていますが、ストアの雰囲気に合ったものとなっているか、内容を今一度確認し、必要に応じて変更しましょう。
メール設定の確認や変更は、以下の手順で実行できます。
- 管理画面の「設定」から「通知」を選ぶ
- 通知メールの一覧が表示されるので編集したいメールを選ぶ
- メールの文面が表示されるので、変更したい箇所のテキストを編集する
6. ショップに不具合がないか確認する
文章の誤字脱字やサイト内の動作の不備、デザインの使い勝手など幅広い観点から不具合がないかを確認しましょう。ショップに不具合があると、ユーザーの満足度が下がってしまうだけでなく、売上にも影響が及ぶ可能性があります。また、可能であれば複数人で確認することで、見落としを最小限に抑えられます。
主な確認項目は以下のとおりです。
- 文章に誤字脱字がないか
- 法的な内容に誤りがないか
- リンク切れがないか
- 画像表示に不具合がないか
- 動作に不備がないか
不具合や不備が自力で解消できない場合は、Shopifyのサポートに問い合わせをしてECサイトの公開までに不具合を解消しておきましょう。入念な確認作業をすることで、スムーズな店舗運営とお客様満足度の向上につながります。
7. 分析ツールの設定をする
分析ツールを利用すれば、訪問者数や売上高、行動履歴などの幅広い情報を収集・分析が可能です。分析ツールの設定をしておくことで、ストアをオープンしたタイミングからユーザーのアクションや好みを把握できるため、マーケティング施策や商品戦略を立てやすくなります。
Shopifyストアに組み込まれているShopifyストア分析を利用すれば、サイトの訪問者数を始めとするアクティビティの確認が可能です。また、より詳細な分析をしたい人は、Google AnalyticsやGoogle Seach Consoleなども活用してみると良いでしょう。
8. SEO対策をする
構築したECサイトがウェブ検索結果で上位に表示されるよう、SEO(検索エンジン最適化)対策をします。SEO対策には主に以下の方法があります。
- ユーザーのニーズに合ったキーワードを選定する
- 選定したキーワードに合わせたコンテンツを用意する
- ページを軽量化させ、サイト速度を向上させる
競合サイトのSEO対策も分析し、最新のトレンドに合わせて対策をすれば、上位表示を維持しやすくなります。SEO対策は長期的に取り組むのが重要です。必要に応じてSEOコンサルタントに相談しながら、ストアオープン後も定期的に戦略の見直しを図りましょう。
9. 画像を最適化する
画像を最適化することでSEO対策になるほか、読み込み速度が速くなりユーザーへのストレスを減らせます。ECサイトでは画像の読み込み速度が遅いと、ユーザーがストレスを感じてしまい、販売数の伸び悩みにつながる可能性があります。Shopifyでは、画像高速化のための処理が自動で行われているものの、事業者自身が以下の工夫を行うのも重要です。
- 画像のファイル名と代替テキストには、商品を表すわかりやすい言葉を使う
- 画像のファイルサイズを軽量化する
- 写真はJPEG、ロゴやアイコンはPNGで保存する
ファイル名と代替テキストをわかりやすいものに変更することで、SEO対策となります。また、画像ファイルを軽量化する際は、Simple Image ResizerやTinyPNGなどの無料ツールを活用すると良いでしょう。
10. ストア開業前のマーケティング戦略を立てて実行する
ECサイトの存在を多くの人に知ってもらうためにはストア開業後だけでなく、オープン前にもマーケティング戦略を立てて実行するのが重要です。たとえば、開業前のマーケティング戦略として以下を実行するのが良いでしょう。
11. 配送方法と配送料を設定する
ECサイトの運営では、配送方法と配送料を適切に設定することが利益確保の上で欠かせません。配送料は、配送コストをしっかり見積もったうえで、利益を出せる金額を設定してください。取り扱う商品の種類や重量、販売エリアを踏まえたうえで、複数の配送業者の料金プランを比較検討するのも重要です。商品や送付先の地域に合わせた配送料を設定することで、コストに見合った金額設定ができます。
また、一定額以上の購入で配送料を無料にすると、ユーザーの満足度を向上させたり、「ついで買い」を促したりすることにつながります。国際配送にも対応する場合は、関税や追加手数料についても考慮しなければなりません。
12. ユーザーとの連絡方法を検討して設定する
ユーザーがショップにスムーズに問い合わせできるよう、適切な方法を検討して設定する必要があります。スムーズにコミュニケーションが取れるよう、以下のような連絡手段を整えておきましょう。
- メール
- 電話
- チャットボット
- ライブチャット
メールや電話を連絡手段とした場合、ユーザの問い合わせにすぐに対応できない可能性があります。問い合わせに迅速に対応するならチャットボットの導入がおすすめです。24時間質問を受け付けられるので、ユーザーが疑問をすぐに解消しやすくなり、迅速な購入につながります。あるいは、リアルタイムで質問に答えられるライブチャットを導入するのもおすすめです。Shopifyには、ライブチャットを簡単に作成できる機能があるので、使ってみると良いでしょう。
13. 必要なアプリを導入する
ストアを立ち上げる段階では、マーケティングや顧客サポートに役立つ機能を持つアプリのみを導入するのがおすすめです。Shopifyにはサイトの機能を拡張できるアプリが多数用意されていますが、まずは必要最低限のアプリを使用してみて、様子を見るのが良いでしょう。以下の機能を持つアプリを導入してみましょう。
- メール配信
- クーポン発行
- SNS連携
- チャットサポート
14. 支払いプランを選択する
料金プランを選択して、Shopifyストアをオープンできるようにしましょう。Shopifyストアは、無料で14日間利用でき、14日経過後も1ヶ月間は150円で利用できます。
最終的に以下の4つのプランからストアの規模に合った料金を選びましょう。初めてShopifyストアを立ち上げる人は、最も人気の高いベーシックプランを選ぶのがおすすめです。
- ベーシックプラン
- 個人事業主向け
- スタンダードプラン
- 小規模なショップ向け
- プレミアムプラン
- 規模が拡大してきたショップ向け
- Plusプラン
- 3年契約
- 取引量の多い大規模なショップ向け
15. 適切な在庫量を確保する
ECサイトを運営するには、適切な在庫管理が重要です。十分な在庫がない場合はユーザーの期待に添えず、在庫が過剰にある場合は無駄なコストが発生してしまいます。
受注量を予測し、ストアオープン前に適正な在庫を確保しておくようにしましょう。在庫管理システムを導入して、リアルタイムで在庫状況を把握できるよう設定しておくのもおすすめです。
まとめ
Shopifyを利用すれば、初心者でも簡単にECサイトを構築できます。構築後、実際のストアの立ち上げまでには、販売チャネルやSNSアカウントの準備、ドメイン取得や不具合チェック、SEOやマーケティング戦略など、多くの準備作業が必要です。
ステップに従って立ち上げを進めることで、不安材料を減らし、スムーズに作業を進められます。また、顧客満足度が向上しやすい環境も作れます。
これからShopifyストアの開設を予定している人は、ぜひこの記事を参考に、ステップに従って立ち上げ作業を進めてみてください。
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よくある質問
Shopifyストアの機能を使うのに手数料はかかる?
Shopifyでは、月払いまたは年払いの利用料金と、Shopifyペイメントの手数料と、Shopifyペイメント以外の決済サービスを使用する場合の取引手数料がかかります。
Shopifyストアを立ち上げる際に、商品はいくつ必要?
Shopifyストアは、最低1種類の商品を用意すれば販売を開始できます。まずは数種類の商品を販売することから始めてみても良いでしょう。